蹴球颱風
FOOTBALL TYPHOON!!



蹴球台風! ワールド・カップの〈ワールド〉って、なんだ?



当日のトーク内容を再録いたしました。  こちら>>からどうぞ


国別対抗戦という形式の中にすでに限界を抱え込んでいるとはいえ、ワールド・カップは世界中の人々を魅了し続けている。

けれども、今回のドイツ大会で決勝リーグに進出したのは、ガーナ・オーストラリアを除く と、ヨーロッパと中南米の数カ国のみ。ここ10年ほど、アフリカやアジ アのチームが、新たな勢力としてサッカー世界地図に描き込まれてきたと 言われてきた訳だが、その世界地図は再び、ヨーロッパと南米という二大 勢力によって占領されてしまったようにも見える。

そもそも、今大会は、南アフリカでの開催が期待されていたはずなのに、蓋を開けてみれば、一 票差でのドイツ開催決定。とってつけたようなFIFAの反レイシズム・ キャンペーンは、ネオ・ナチへの対応なのか、それとも南アフリカ開催を 先延ばししてしまったことへの贖罪なのか?

ベッケンバウアーが見下ろすピッチのスペクタクルという構図は、かつて世界を眼差し分割してきた、 レイシズム的ヨーロッパの似姿なのか? マラドーナが顕す喜怒哀楽の情 動とその身体は、資本のグローバリズムに立ち向かう現代のガルガンチュ アなのか? 再び躍動し始めたジダンと多人種構成のフランス代表は、ポ スト植民地期のナショナルな境界線を補強するのか、それともそれを破壊 し、新たな意味を加えるのか?

かくのごとく――ワールド・カップのピ ッチの上には、現代の<危機>の瞬間が、閃めいている。ワールド・カップ が言っている<ワールド>とは、一体、何処のことなのか――何処へ向かっ ているのか?



2006.07.01 SAT

陣野俊史(Toshifumi Jinno)×小笠原博毅(Hiroki Ogasawara)


:INFORMATION

open:17:00
start:17:15〜 (90minutes)
place:La Cana @ 下北沢

     東京都世田谷区北沢2-1-9 第二熊崎ビルB-1


     (03)3410-0505
site:http://www1.ttcn.ne.jp/~LaCana/
charge:1000yen(1drink)
reservation:enfanteest@aol.com

         スペースに限りがありますので、予約をお薦めします。


:INTRODUCTION

ワールドカップも佳境に差しかかる7月1日土曜日、陣野俊史氏と 小笠原博毅氏をお招きして、下北沢〈La Cana〉にてトーク・セッション 〈蹴球颱風〉を行います。この期間の下北沢では、ちょうど 〈カルチュラル・タイフーン2006〉 〈下北シネマタイフーン〉が開催されており、〈蹴球台風〉もそのちっちゃな 「台風の目」のひとつとして行われます。批評家・研究者・サッカーファン などが集い、今回のワールドカップの動向や問題点について、意見を交わし あいましょう。サッカー文化について語ったり、ビューティフル・プレイ (JOGA BONITO)について規定できるのは、グローバル資本やマスコミ だけではないのですから。。。
このグローバルなサッカー・イベントの渦に巻き込まれつつも、私たち 自身の足で、ボールを蹴りかえしてみましょう!



:ABOUT GUEST

○陣野俊史

プラティニ以来のフランスサッカーを見守り続けてきた。 今大会、ジダンを見るだけで涙が……。いまいちばん関心がある のは、世界の島々にサッカーが移植されていくプロセス。そこから何が 見えるんだろう。本業はフランス文学だが、音楽や日本の現代文学の仕事が 多いかも。主な著書、『フットボール・エクスプロージョン!』、『フットボール都市論』。 訳書に『フーリガンの社会学』 など。最新刊は『フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』。



○小笠原博毅

職業は大学教員。サッカー部嫌いのサッカー好き。グラスゴー在住 時代にセルティック・サポーターのエスノグラフィーをまとめた博士 論文を執筆。好きなのはプレミア・リーグ。持ち味は左サイドからの アタッキング・プレー。「サッカーは点を取るゲームなんだから」。 有元健との共編著『サッカーの詩学と政治学』(人文書院2005)他、 サッカー批評論文少々。



:ORGANIZED BY

○山本敦久(Athuhisa Yamamoto)×田中東子(Toko Tanaka)

サブカルチャーやスポーツをテーマに街中でのセッションやイベントを 主催しているユニット。楽しいことを突き詰めていくと、そこには必ず 政治的な場が構成される。であるがゆえに文化は魅力的なのである、 という認識に基づいて活動している。〈麦わら海賊団〉をリスペクト中。










































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